ソーシャルブックマークとは、お気に入りのサイトや記事をネット上に保存して、一般公開するサービスのこと。面白いサイトや読み応えのある記事の人気投票、ランキングとしても注目されている。
ユニークなネットサービスを提供することで有名な「はてな」の中でも、最も人気のあるのは「はてなブックマーク」だ。ユーザーが自分のお気に入りのサイトや記事を、ネット上に保存し、一般公開している。人気の理由は、ブックマークされた数から話題の記事やサイトがわかるため。ネットの動向がわかる人気投票といってもいいだろう。
はてなブックマークに記録された記事の横には、ブックマーク数が赤字で表示されている。「289users」なら289人ものユーザーがブックマークしたということがわかる。
はてなブックマークでは、ブックマーク数が一定期間内で多い順に「人気エントリー」としてトップ画面に表示される。上位に表示されている記事・サイトほど、多くのユーザーが注目していることがわかる。
人気ニュースを○×評価またここ半年ほどで人気が出てきた「newsing」にも注目したい。ソーシャルニュースと呼ばれるサービスの1つで、サイトや記事の評価サイトとしてスタートしている。ユーザーが「このサイト、記事が面白いよ」とピックアップし、それをほかのユーザーが「○」「×」で評価していく。
「○」が多いほどポイントがアップして、トップページに表示されるようになる。newsingを見るだけで最近の人気記事をチェックできるので、話題のニュースやサイトを見たい人に向いている。
ソーシャルブックマークとソーシャルニュースの人気の理由はいくつかあるが、1つはマスコミが取り上げない話題もチェックできること。個人ブログの注目記事、参考になる個人サイト、さらには「2ちゃんねる」の話題も対象になる。
また大手マスコミでは「デスク」と呼ばれる編集担当者が掲載するニュースを選ぶが、ソーシャルブックマークなら読者の人気投票で注目のニュースサイトが決まる。本当にユーザーが興味を持っている記事、注目しているサイトがわかるのがいい。ネットユーザーのトレンドを測るうえでも役立つサービスである。
もう1つの注目は、ピックアップしたサイトや記事を「タグ」と呼ばれる分類名でジャンル分けできること。ユーザーが自由に付けるタグによって、特定のジャンルの人気記事だけを表示することも可能だ。また「はてなブックマーク」では、タグ自体が記事の評価になっている場合が多く、例えば「これはすごい」「これはひどい」といったタグが使われている。
ソーシャルブックマークの人気に大手サイトも注目しており、アメリカの大手ソーシャルブックマーク「delicious」は、米ヤフーが買収している。またライブドアでは「ライブドアクリップ」という独自サービスを提供するなど、大手サイトが続々とソーシャルブックマークに参入している。今後も注目したいネットサービスの1つだ。(三上洋・テクニカルライター/2007年1月24日発売「YOMIURI PC」2007年3月号から)