米ハーバード大学は11日、同大ラドクリフ研究所のドリュー・ギルピン・ファウスト所長(59)を第28代の学長に選出したと発表した。女性が学長に選ばれたのは、同大371年の歴史で初めて。ファウストさんは歴史学者で、南北戦争や米南部の専門家として知られる。デレク・ボク暫定学長に代わり、7月1日に就任する。
クリントン政権の財務長官を務めたローレンス・サマーズ前学長が05年1月、科学の学術組織の長に女性が少ない理由の一つとして、男女の生来の差があるとの見方を示し、大学内外から反発を招いた。大学運営が強引だとの批判も起き、昨年6月いっぱいでの辞任に追い込まれた。同大は昨年3月、学長選考委員会を立ち上げ、学生、教職員、卒業生の意見を聞きながら名前の挙がった750人からファウストさんを選んだ。
ファウストさんは、選出後の記者会見で「私の選任が、ほんの一世代前には想像もつかなかったような門戸を開く象徴になるよう期待したい」と話す一方、「私はハーバードの女性学長ではなく、ハーバードの学長だ」と語った。
ペンシルベニア大に25年勤めた後、01年にラドクリフ研究所の所長に招かれた。AP通信によると、ハーバード大から学位を得ていない学長の就任は1672年以来。