●情報提供600件超●
市民が気軽に法律相談を受けられる「法テラス和歌山」(日本司法支援センター和歌山地方事務所)。昨年10月にオープンして以降、法的トラブルに対する情報提供件数は600件を超えた。府県レベルの平均を上回るペースで、まずは順調なスタートを切った。しかし無料法律相談が2〜3週間待ちとなるなど、改善点も浮かび上がっている。 (渡辺秀行)
オープン直後、消費者金融やヤミ金融で約500万円の多重債務を抱えた50代女性から電話相談があった。
相談員は「法定金利を超える多額の利息を払っている可能性がある」と判断し、弁護士による無料法律相談を紹介した。その結果、過払いが判明。債務整理で借金は消え、約100万円の過払い金が返還されたという。
法テラスは、裁判員制度と並ぶ司法制度改革の目玉だ。法的トラブルの相談に対し、内容に応じて弁護士や行政機関などを紹介する情報提供▽資力の乏しい人への裁判費用の立て替え▽犯罪被害者への弁護士の紹介——などが主な業務。法テラス和歌山では、司法書士や元裁判所職員ら6人が常勤し、電話や窓口で相談にあたっている。
情報提供の件数は、昨年10月195件、11月162件、12月127件、今年1月151件。和歌山のように都道府県に1カ所だけ設置された法テラスの月平均(昨年10〜12月)約124件を、毎月上回った。
内容別の内訳は、多重債務などの金銭トラブルが362件で57%を占めた。離婚・相続などの家事問題(125件、19%)、借地・借家などの不動産問題(32件、5%)が続く。
一方で、法テラス和歌山と契約した弁護士らによる「無料法律相談」は、相談件数に弁護士の数が追いついていないというのが現状だ。相談は週1回で、応じられるのは10人前後。情報提供を受けた相談者の36%が利用しているため、常に2〜3週間待ちの状態が続いている。
法テラス和歌山の藤井義弘事務局長は「契約弁護士の事務所での相談を増やすなどで対応している。今後、和歌山弁護士会とも改善策を相談したい」という。
相談は平日の午前9時〜午後5時。和歌山市十番丁の法テラス和歌山の窓口か電話(050−3383−5457)で。
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