6者協議の合意内容
閉幕式を前に握手をする6者協議の各国首席代表たち
6者協議の閉幕式で中国の武大偉外務次官の閉幕宣言が終わり、立ち上がって拍手する各国の代表団
6者協議の合意文書の骨子
議長の武大偉(ウー・ターウェイ)・中国外務次官は13日午後、釣魚台国賓館での閉幕式で、各国代表団を前に合意文書を読み上げた。
北朝鮮が初期段階に続き、核再処理施設などを含むすべての核施設を解体すれば、当初の5万トンを含め最高で重油計100万トン規模の支援を受けられる。これは市場価格で約3億ドル(360億円)に当たる。韓国代表団が公表した合意議事録によると、各国の負担は平等を原則とするが、日本については拉致問題に配慮、「自国の憂慮事項が処理され次第、参加を期待する」として、当面は参加しないことが確認された。
一方、朝鮮中央通信は13日、「各国は朝鮮の核施設稼働の臨時中止に関連して重油100万トンに相当する経済、エネルギー支援を提供する」と報じており、今後、認識の違いが合意の履行に影響を与える恐れもある。
合意文書は、北朝鮮が60日以内に核再処理施設を含む寧辺の核施設を稼働停止、封印するとともに、02年12月に追放した国際原子力機関(IAEA)査察官を復帰させることが盛り込まれた。保有するプルトニウムを含むすべての核計画について日米韓中ロ5カ国と協議することも求めた。ただ、合意文書には「核兵器」との直接的な表現は使われていない。
また、米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除する作業に着手、過去の制裁の根拠となった対敵国通商法の適用を終了する作業を始めることを盛り込んだ。アジア開発銀行などの融資に道を開くもので、北朝鮮に配慮した形だ。
ヒル米国務次官補は13日夜、米朝が対立してきた金融制裁問題について「30日以内に解決すると中国などに表明した」と明言。米朝国交正常化の作業部会のため北朝鮮首席代表の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官をニューヨークに招待したことも明らかにした。
一方、一連の核危機の発端となったウラン濃縮計画問題については「非核化の作業部会に分科会を設けることを想定している」と語り、計画の存在を否定する北朝鮮を追及する姿勢も示した。
作業部会は「非核化」「米朝国交正常化」「日朝国交正常化」「経済エネルギー協力」「北東アジアの平和と安全のメカニズム」の五つが設置され、30日以内に初回の会合が開催される。順調に進めば4月にも6者外相会議が開催される。次の段階の措置を話し合うため次回の6者協議を3月19日に開催することも決まった。