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2007年02月14日(水) 07時53分

介護保険で「個別・短時間型」リハビリ 厚労省導入へ朝日新聞

 昨年の診療報酬改定で医療機関でのリハビリテーションが原則として最長180日に制限され、リハビリを受けられない人が出ている問題で、厚生労働省はその受け皿として、介護保険を使ってリハビリだけを集中して行う新たな「個別・短時間型」サービスを始める方針を固めた。制限後、厚労省は受け皿に想定していた介護保険との連携がうまくいっていないと認めていたが、実際に介護保険制度を見直すのは初めて。3月中にモデル事業をつくり、09年度の介護報酬改定で導入を目指す。

 脳卒中などの病気や事故からの回復には、医療保険と介護保険のリハビリがある。同省は医療費抑制のため昨年、医療保険のリハビリを、発病直後は手厚くする一方で、期間を原則最長180日に制限。それ以降は介護保険による「通所リハビリ」の利用を求めていた。

 しかし、医療のリハビリが専門家によって個々人の体調にあわせて実施されるのに対して、現行の通所リハビリは、一時預かりの役割が大きい。ほとんどが半日コース。集団体操やレクリエーションをリハビリの代わりにする施設も少なくない。そのため、医療保険の上限後もリハビリを必要とする人の受け皿にならない問題点が指摘されていた。

 厚労省が新たなモデルとして想定しているのは、この通所リハビリの個別・短時間型。

 現在の通所リハビリの設置基準が、「利用者20人に対し専従2人」「サービス時間のうち理学療法士や作業療法士など専門職がつく必要があるのは5分の1以上」と緩いのを、個別対応のリハビリもできるように、全サービス時間を通して専門職をつける。

 また、仕事をしながらリハビリに通えるように、利用時間は2時間程度、自力で通える人には送迎義務を外す——などを検討している。

 同省は、通所リハビリの個別・短時間型の研究費として約1000万円(今年度分)の予算をつけた。委託先の日本リハビリテーション病院・施設協会は、3月末までにモデル事業の内容を策定。新年度から利用者1000人規模で効果や問題点を調査する。効果が確認されれば、09年度の次期介護報酬改定に盛り込み、個別・短時間型を通所リハビリの新たな核として位置づける方針だ。

 課題も残る。理学療法士らリハビリ専門家は大半が病院勤務。新サービスを受け皿として整備するためには、現在の理学療法士数の4倍以上必要という試算もある。新サービス開始までの2年間をどうするかも問題だ。

 同協会常務理事の斉藤正身医師は「医療でのリハビリ制限を受け、もっと個別性の高いリハビリができるようにするためには何が必要なのかをまず探りたい」としている。

http://www.asahi.com/life/update/0214/002.html