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2007年02月14日(水) 08時51分

着服職員を懲戒解雇 奈川振興公社読売新聞

「内払い」仕組み悪用

公社職員の着服を謝罪する坪田理事長(左)ら
 松本市が100%出資する財団法人「奈川振興公社」(理事長=坪田明男・松本市助役)の女性職員による着服問題で、同公社は13日付で女性職員を懲戒解雇し、同僚を戒告の懲戒処分、坪田理事長ら4人を訓告などの処分とした。着服額は総額約1177万円に上った。物産センターなどでの土産品の受託販売の経理で、売れ残りを想定して納品数よりも少ない代金を毎月業者に支払う「内払い」と呼ばれる仕組みが悪用されていた。

 記者会見した坪田理事長らによると、解雇されたのは、公社が2000年12月に経理担当のパートとして採用した女性職員(45)。

 「内払い」は委託販売の世界で一般的に行われているとされ、年度末に支払い額を調整している。この職員は納品数を水増しして公社に支払わせ、差額を着服する手口で、02年から今年1月末までの約5年間に計218回不正経理を行った。着服額は年間44万〜308万円に及んだ。

 公社では年1回監査を実施していたが、公社の業者への支払額と業者から受け取った領収書の合計金額を照合していなかった。

 同公社の累積赤字は05年度決算で約800万円。着服額はこれを上回っていた。

 動機について、職員は「病気の子どもの手術代などに充てた」と話しているという。

 公社は13日、松本署に経過を説明し、業務上横領容疑での告訴に向けた準備を始めた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news001.htm