記者会見した坪田理事長らによると、解雇されたのは、公社が2000年12月に経理担当のパートとして採用した女性職員(45)。
「内払い」は委託販売の世界で一般的に行われているとされ、年度末に支払い額を調整している。この職員は納品数を水増しして公社に支払わせ、差額を着服する手口で、02年から今年1月末までの約5年間に計218回不正経理を行った。着服額は年間44万〜308万円に及んだ。
公社では年1回監査を実施していたが、公社の業者への支払額と業者から受け取った領収書の合計金額を照合していなかった。
同公社の累積赤字は05年度決算で約800万円。着服額はこれを上回っていた。
動機について、職員は「病気の子どもの手術代などに充てた」と話しているという。
公社は13日、松本署に経過を説明し、業務上横領容疑での告訴に向けた準備を始めた。