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2007年02月13日(火) 19時29分

リンナイ、事故情報の収集が不十分読売新聞

 ガス機器最大手「リンナイ」(名古屋市)製のガス湯沸かし器で一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだ問題で、同社の過去の事故情報の収集が不十分だったことが分かった。

 過去の事故に関する記録が不十分で、同社は、今回発表された5件以外にも「社として把握していない事故が存在する可能性がある」としている。

 同社は昨年1月、製品の修理を行うサービスショップや顧客からの情報集約を強化するため、品質保証部内に「QI(品質情報)センター」を設置し、再発防止策の検討や製品開発などに生かそうとしている。しかし、それまでは社員が新聞記事で見つけたり、ガス事業者から任意で提供されたりした事故情報が主だった。

 事故を把握した場合でも、警察などが「製品には問題がない」と判断した際にはそれ以上の対応をしておらず、例えば2003年10月に東京で無職女性が死亡した事故では、「不完全燃焼防止装置の作動中に再点火を繰り返したことによるCO中毒」と判明しながら、再発防止策の検討などはしなかったという。

 このため同社に残っている記録からは、当時の詳しい状況が分からない状態。さらに文書の保管期限を10年としているため、それ以前の事故の記録は残っていないという。同社は「リンナイ製品の事故なのに社として把握できていないものが存在する可能性はある」(総務部)としている。

 製品事故の問題に詳しい中村雅人弁護士は「多くのメーカーでは1995年の製造物責任(PL)法施行以前から、事故情報を集約する仕組みを整えていた」と指摘する。同社では「事故情報の集約はしてきたが、不十分だったとの指摘は受ける」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070213i112.htm