日中関係筋などによると、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が1月19日夜、夕食会を開催。東京五輪招致委員会会長の石原氏と、武術関係の交流で訪日中の于氏を引き合わせた。石原、于の両氏は2008年に行われる北京五輪の施設建築状況などについて意見交換したという。
石原氏が中国人を「シナ人」と呼び、中国外務省を刺激することはしばしば。英紙とのインタビューで北京五輪ボイコットを呼び掛けた過去もあり、同氏にとって中国はまさに“天敵”。その石原氏も五輪招致のためには、「中国の支持は必要」(都関係者)と判断したとみられる。
自民党関係者も「石原氏は4月の都知事選で五輪招致を訴えることになる。支持率が下落傾向にある中、嫌いな中国とも接触を図り、何としても東京五輪を実現させたいと必死になっているのでは」と解説する。
一方の中国も、石原氏を取り込むことで、改善が進む日中関係の雰囲気を盛り上げたいとの思惑がある。中国側は今回の石原氏との接触を重視しており、石原氏の訪中計画が浮上する可能性もあるという。
政治力学も絡み、各国の激しい綱引きのもと開催地が決まるオリンピック。五輪招致のためには、手段を選んでいる場合ではない?
ZAKZAK 2007/02/13