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2007年02月13日(火) 00時00分

義理チョコよりも思いやり…“廃止”の代わりに募金ZAKZAK

 【廃止の背景】

 義理チョコを廃止したのは、中堅損保の共栄火災海上保険。同社では例年、バレンタインデーの時期に合わせて、女性社員は義理チョコを買う代わりに、男性社員はホワイトデーのお返しを買う代わりに1口500円を募金している。

 募金には本支店の従業員約3100人が参加。集まったお金はNGO団体を通じて西アフリカのマリ共和国に贈られ、苗木を購入したり、干魃(かんばつ)でも木が枯れないように水源から水を運ぶクリーク(水路)を建設するなど、主に砂漠化防止対策に当てられるという。

 募金活動は1993年にスタート。以来、昨年までに計1637万円が集まった。

 きっかけは、デザイン変更で不要になった制服約7000着をマリ共和国に贈ったこと。

 「現地の人が制服を着ている写真が送られてきまして。それを見た女性社員の有志が感動して、何かほかにできることはないかと考えたのが始まりです」(広報室)。そして出てきたアイデアが義理チョコを廃止しての募金活動だった。

 【会社にも貢献】

 廃止前は、同じ部署はもちろんのこと、転勤先にまでチョコを送るほど義理チョコが過熱していたといい、女性社員は1人あたり平均4000−5000円の費用をかけていたそうだ。

 ある40代の女性社員は「他の部署とのバランスも考えたり、相手の役職などにも配慮したり、とてもわずらわしかった」と当時を振り返る。

 男性社員にとっても、「倍返し」といわれる3月14日のホワイトデーの負担は大きかった。40代の男性社員は「女性が多い営業店にいたときは10個以上もらい、お返しも大変だった」と語る。

 義理チョコ廃止により「本社と支店間の宅配便などの代金が100万円も減った」(同)というから、会社自体もえらく助かっているようだ。

 廃止されたのは義理チョコで、「本命チョコは禁止していない」(同)とか。

 国際社会にも、会社自体にもしっかり貢献している義理チョコ廃止のチャリティー活動。ただ、お父さんたちの胸中は複雑なようで、「チョコレートがもらえなくなったのはさみしい」(50代の男性社員)との本音も漏れてくる。

■共栄火災海上保険 本社・東京。1942年、農山漁村への保険普及を目的に設立。自動車保険などが主力で、ゴルフの「ホールインワン保険」を日本で初めて手掛けたことでも知られる。総資産7305億円、従業員3100人。2006年3月期(単独)は正味収入保険料1719億円、経常利益28億円、当期純利益6億円。

ZAKZAK 2007/02/13

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007021327.html