医師不足の背景として、厳しい労働環境から勤務医を嫌って開業する医師が増えている問題が指摘されている。講演会は勤務医の現状について考えようと県内の医師でつくる同協会が企画。医療関係者や医学生ら約50人が参加した。
垰田助教授は、病院の常勤医師の勤務時間が週平均で70時間を超えている統計資料などを紹介。残業による睡眠不足のため患者との人間関係や医療の質に悪影響を与える危険性を指摘した。
国立大の独立法人化と新たな臨床研修制度の導入が重なった2004年以降、労働条件を重視する若い医師が増えた点にも触れ「情熱と労働条件は別。医師にモチベーション(意欲)があれば地域医療を担ってくれるというのは現実とずれている」と主張。「医師不足の原点は勤務医の過剰労働。若い医師に魅力ある職場づくりが必要」と話した。
(矢野修平)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/mie/20070211/lcl_____mie_____001.shtml