■消防がカラオケボックス立ち入り点検
兵庫県宝塚市のカラオケボックスで3人が死亡した火災を受け、県内14の消防本部がすべてのカラオケボックス77店に緊急の立ち入り点検をした結果、64店で消防法上の違反が見つかった。消火器や火災報知機がない店もあり、ずさんな防火体制が浮かび上がった。各消防本部は違反のあった各店に査察通知書を出し、改善計画を記した報告書の提出を求める。
点検は先月下旬末〜今月5日、各消防本部の職員が出向いて実施された。消火器具や消火栓、誘導灯といった消防用設備の点検や消防訓練の実施状況など、13項目について調査を行った。
見つかった主な違反は、「防火管理者の未選任」が37店、「誘導灯の未設置、不備」が24店、「消防器具の未設置、不備」12店などとなっている。消防法では営業時間中、防火管理者の選任も義務づけられているが、半数の店でまったくの不在かもしくは不在になる時間帯があった。
火災の際、店内で避難者を非常口まで導く誘導灯は、バッテリーが切れて停電時に機能しないものが多かったという。消火器がない店も7店舗見つかった。
青森市の青森消防本部では、管内の16店のうち14店に違反が見つかった。義務である年2回の消防訓練は、11店で行われていなかった。
同本部ではまた、大きな音が響くカラオケボックスの特性を考慮し、各個室について火災の警報機の有無を独自に調査。個室ごとの警報機があったのは6店にとどまった。法律上の義務づけではないが、小笠原匠消防司令は「警報機が離れた場所にある場合、火災に気づかず逃げ遅れの原因になる可能性がある」と指摘している。
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