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2007年02月10日(土) 01時26分

リンナイ製湯沸かし器、CO中毒死者3人 90年代製造朝日新聞

 経済産業省は9日、リンナイ(本社・名古屋市)製の開放式小型ガス湯沸かし器を使っていた横浜市の男性(61)が7日に死亡したと発表した。死因は一酸化炭素(CO)中毒とみられる。同型機や類似機種の使用中にCO中毒になる事故が00年以降、少なくとも5件あり、3人が死亡、12人が中毒になったという。同省は同社に事故原因の究明を指示。同社は、現段階での同機種の回収は考えていないが、「一刻も早く今回の原因を調査し、対策を考えたい」と話している。

記者会見で頭を下げるリンナイの内藤弘康社長(右から2人目)=10日午前0時8分、名古屋市中川区のリンナイ本社で

RUS−5RX=9日、名古屋市中川区のリンナイ本社で

リンナイ湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故

リンナイ製の湯沸かし器による事故について発表する経産省の矢島ガス安全課長(左)と渡辺製品安全課長=9日午後10時44分、東京・霞が関で

記者の対応をする広報担当者=9日午後10時31分、名古屋市中川区でのリンナイ本社で

リンナイの本社ビル=9日午後、名古屋市中川区で

 経産省によると、CO中毒が起きた機種は「RUS—5RX」「RUS—51BT」。「5RX」は91年7月〜95年1月に87万3214台が製造された。

 このうち、約13万台はリンナイが製造して東京ガスが「RN—405SD」として販売したもので、7日の事故はこの機種だった。91年から96年にかけて販売され、直近の点検時には5万8千台が使われていたことが確認されているという。また、「5RX」の類似機種の「51BT」は94年5月〜97年1月までに、28万822台が製造された。

 事故にかかわったいずれの機種も現在は生産されていない。

 事故の5件は表の通り。このうち7日に亡くなったのは、横浜市鶴見区馬場4丁目で一人暮らしをしていた石川一男さん。台所にあった湯沸かし器を使っている最中に中毒になって倒れた。家族とみられる人の通報で消防隊員が到着した時点で、石川さんはすでに死亡していたという。県警は湯沸かし器を鑑定して慎重に調べを進めている。

 事故にかかわった湯沸かし器は不完全燃焼防止機能がついている。また、煙突がなく、室内の空気を使って燃焼するタイプという。

 経産省によると、東京都豊島区(03年)と広島市、横浜市の事故は、湯沸かし器内部に大量のすすが付着していた。不完全燃焼が起き、防止機能が作動して火が消えるということを繰り返すうち、すすがたまって防止装置が機能しなくなった可能性があると見ている。

 一方、荒川区(00年)と鹿児島市の事故は、室内が密閉されていたという。

 記者会見したリンナイの内藤弘康社長は、過去4件の事故について、「すべて換気扇が回っていなかった。熱交換器内部にすすがたまり、高濃度のCOが発生した」と説明。事故原因は使用者の責任と考えていたことを明らかにした。そのうえで、「今回の事故はどのように死亡事故になったのかわかっていない。過去と同じ原因かどうかもわからない」と答えた。

 同社や経産省、東ガスは「使用する際は、換気扇を回すなどの換気が必要で、使用中に火が消えることが続く場合は点検してほしい」と呼びかけている。

 リンナイと並ぶ業界大手のパロマ工業(名古屋市)では、06年7月にガス湯沸かし器によるCO中毒事故が発覚。同社のこれまでの発表などによると、85年から05年までの間に計28件の事故が発生し、21人が死亡していた。

 東京ガスによると、リンナイの型番は、湯沸かし器の向かって右の側面の下方にはってあるシールに記載されている。このうち東京ガスが販売した製品は正面右上にも印字されているという。

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 リンナイ(名古屋市中川区)によると、事故の連絡は8日夕、当該機器をブランド販売する東京ガスから入ったという。

 問題の製品「RUS—5RX」は、「開放式小型湯沸かし器」と呼ばれるタイプの機器。リンナイによると、同製品は、機器自体に排気のための管などが付いていない簡易な構造で、使用時には、別に換気扇を使用する必要があるという。

 リンナイでは、過去に同タイプの機器に事故事例がなかったかなどを調べている。

http://www.asahi.com/national/update/0209/TKY200702090386.html