廃炉準備中の新型転換炉「ふげん」=06年6月、本社ヘリから
「ふげん」は03年に運転を終了、廃炉準備が進んでいる。劣化調査は原発の老朽化対策の一環で、「ふげん」を利用して国が実施している。
保安院などによると、原子炉補助建屋の壁面6カ所から採取したコンクリート塊の34試料について、荷重を加えて破壊し強度を調べたところ、5カ所25試料が設計基準値を下回った。このうち、地下1階の壁面から採取した10試料は、設計基準値の約半分の1平方ミリあたり10.6〜14.0N(ニュートン=力の単位)を記録。だが、昨年10月以降に実施した同じ場所の非破壊検査では27.7〜37.9Nと基準値を上回っていた。
非破壊検査は、建物を壊さずに強度を測れるため、原発をはじめ多くの建物の検査に利用されている。測定者の技量により誤差が大きくなる場合もあるとされる。一方、原子力機構によると、約30年前のふげんの施工時の検査では建物と同じコンクリートの測定で設計基準を満たしていた。
保安院放射性廃棄物規制課は「非破壊検査は原発以外の分野でも長年の実績がある。現時点で信頼性が揺らぐものではないと考えている。今回の実測値にはばらつきが目立つため、コンクリート試料の測定法に問題がなかったかなど再確認を求めている」としている。
http://www.asahi.com/national/update/0210/TKY200702100148.html