交番には事故翌日の7日から、住民から見舞いの千羽鶴や果物が届いている。千羽鶴の一つは、日常生活でときわ台駅を使い、社会科見学で交番を訪れることもある板橋区立富士見台小の5年生の児童らが作った。事故の翌朝に事故のことを知り、「お巡りさんに手紙を書こう」「千羽鶴を贈ろう」という雰囲気になったという。
背は高くないが、がっしりした体格の宮本巡査部長は、交番でもベテラン格。近くの商店街の商店主らからは、親しみを込めて「主任」と呼ばれていた。
「雨が降っても風が強くても、踏切近くの横断歩道で立ち番していた姿が目に浮かぶ」と事故現場近くで総菜店を営む河原弘さん(51)。「今どき珍しい、古き良き時代のお巡りさんだよ」
同じ駅ロータリーの和菓子店経営国分政明さん(74)は、ミニバイクで踏切を渡って配達に行く度にあいさつを交わした。「今月2日、町内会の役員らで行ったパトロールに同行してもらったばかり。私たち地域住民にとって大事な人なんだ」と容体の好転を願った。
ある警視庁幹部は「死のうとした女性が助かり、助けようとした警察官が生死の境にいる。警察官という仕事の宿命を感じてしまう」と険しい表情のまま話した。
警察庁でも宮本巡査部長が女性救出をあきらめなかったことに「警察官として立派な行為だ。なんとか持ち直してほしい」との声が漏れている。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070209/mng_____sya_____004.shtml