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2007年02月09日(金) 12時59分

74%が防火不備 県内カラオケ店読売新聞

125店舗 消防緊急点検で判明

 兵庫県宝塚市で1月20日、8人が死傷したカラオケボックス火事を受けて、県内各地の消防機関が実施したカラオケボックスへの緊急点検の結果、168店舗のうち74%にあたる125店舗で、消防法や各市町村の条例に違反する防火上の不備が見つかった。8日、調査結果のまとめを発表した県消防保安課は「これだけ多くの店舗に不備があるのは問題。各地の消防機関を通じて、できるだけ早く改善を求める」としている。

 宝塚市での火災を受け、県内20の消防局・消防本部が1月24日から今月6日にかけて、営業中の全カラオケ店を立ち入り調査した。消防法で店舗面積などに応じて設置が義務づけられている消火器や自動火災報知器の数といった防火設備、防火管理者の有無など11項目を調べた。

 その結果、延べ床面積150平方メートル以上の店舗で設置が義務づけられている消火器については、29店舗で未設置や使用期限切れなどの不備があった。他の防火設備についても▽27店舗で自動火災報知設備▽35店舗で誘導灯▽10店舗で非常警報設備▽9店舗で避難器具——に関する違反が見つかるなどした。

 また、収容人員30人以上の店舗で選任する必要がある防火管理者についても、対象の148店舗中70店舗で選んでいなかった。また、カラオケ店としての使用開始届を各地の消防局・消防本部に出していない店舗も51店舗あった。違反が見つかった店舗については、すぐに改善を指導した。今後、定期的に調査を行い、改善が進んでいない場合は、警告や命令を行うという。

 大手カラオケボックスチェーン「シダックス鹿児島天文館クラブ」(鹿児島市呉服町)では1月末、立ち入り調査を受けた。違反はなかったが、宝塚市での火災後、年配客から「おたくは大丈夫なのか」との問い合わせが数件あったという。

 同店では指定数の消火器を置き、避難誘導のための全館放送を行うとカラオケの曲が自動的に止まるシステムも導入している。「あのような火災が起こりうる、ということを肝に銘じ、従業員にも再度、安全対策を徹底した」と話している。

 南九州一の繁華街・天文館を抱える鹿児島市では、46店舗のうち12店舗で違反が見つかった。同市消防局は「もちろん100%違反がないのが望ましいが、防火管理者が異動になった直後だったり、誘導灯の電球がたまたま切れていたりと悪質でない例も多かった。法令順守とともに、店の管理者の防火意識向上に力を入れたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news001.htm