港区は、昨年6月に公共住宅「シティハイツ竹芝」で起きたエレベーター死亡事故を教訓にして、原因究明や再発防止などに活用する基金を創設する。8日発表した07年度予算案に30億円を盛り込んだ。原因究明では、第三者検査機関と契約し、事故機の製造元のシンドラーエレベータ(江東区)にソフトウエアなどの提出を求めていく。
新設するのは「区安全安心施設対策基金」。区は事故発生に伴う職員間の連絡が大幅に遅れたことを反省しており、職員の意識改革のため、全職員を対象に安全確保と危険回避について系統的な研修や講習をする。
ほかに防火シャッターの安全装置の設置や区有施設のアスベスト対策にも利用する。
契約する検査機関は、六本木ヒルズの回転ドア事故で独自プロジェクトを立ち上げて原因究明の調査をした畑村洋太郎・東大名誉教授の推薦をうけた。運転を止めた事故機の隣接機も検査の対象にしている。
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港区の07年度一般会計予算案は1077億円で前年度比9・9%増と、初めて1千億円を超えた。特別会計を含めた総額は前年度比8・8%増の1505億3300万円。
主な事業としてはほかに、特定不妊治療費助成がある。所得制限がなく、年間30万円を限度額に、同一夫婦に通算5年を限度に申請を認める。高齢者のインフルエンザ予防接種の自己負担額免除には、9900万円を計上した。
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