原告側は「法廷で真実を明らかにさせ、法的責任も問う」として争う方針で、和解については「具体的な条件を示されていない現状では判断できない」としている。
経済産業省が昨年7月に事故を公表して以降、パロマ側の責任を裁判で問うのは全国で初めて。
原告は、1987年から90年にかけ、苫小牧、北見、帯広市で起きた3件の事故で死亡した20代の男女5人の遺族10人と、事故が起きた帯広市のアパートの元経営者。
訴えによると、パロマ側は、事故を起こしたガス湯沸かし器が80年に生産を開始し、その後早い段階で、安全装置に故障が起きやすいことを認識し、各サービス店に安全装置の配線を不正改造するよう指示。少なくとも、最初の死亡事故が起きた85年には、消費者に事故について告知し、製品を回収すべきだったのに、容易に不正改造できる製品を放置し、事故を続発させた。
これに対し、パロマ側は「製品に欠陥はなく、改造を指導していない。事故原因となった製品の故障は通常の範囲内」などとし、法的責任による損害賠償は認めなかった。今後は「社会的責任」に基づき、和解を探っていく方針。
また、90年に帯広市で起きた事故で死亡した鈴木誠人さん=当時(27)=の遺族と中村誠也弁護団長が意見陳述し、「不正改造が容易にできること自体が製品の欠陥にあたる。不正改造にパロマ側が関与したことは明らか」と訴えた。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070208/eve_____sya_____017.shtml