番組は「聞くと頭がよくなる音」と題して、ハイパーソニック(高周波音)を聞き、脳からα波を出すと、集中力や記憶力が高まると紹介した。ところが、制作過程で強引な手法があった。昨年10月、仮説の証明のために「高周波が脳に与える影響」の論文を書いた千葉工大研究者に、出演か研究内容の紹介を依頼したが、「集中力や記憶力に対する研究は含まれていない」と、断られた。それでも、論文掲載誌に承諾を得て、研究者には知らせぬまま放送した。
同局広報部はこの日、書面で見解を発表した。研究者の了解を得ずに論文を放送したことについて謝罪。「仮説の紹介にあたって断定表現するなど、表現上行き過ぎた点があり、誤解を与えたとしたらおわびいたします」とコメントした。同局では昨年5月の「白インゲン豆ダイエット放送による嘔吐(おうと)・下痢騒動」以来、制作考査室を設置。放送前の番組チェック体制を敷いている。「論文や発言をねじ曲げて紹介したり、データのねつ造などの行為は一切ありません」と強調した。