【サラエボ=石黒穣】オーストリア内務省は7日、インターネットを通じて児童ポルノ画像などを販売している国際ネットワークの摘発に乗り出したと発表した。
顧客は日本を含む世界77か国に広がっており、米国や欧州の司法当局にも情報提供し、全容解明を図る考えだ。
このネットでは、性的な虐待を受ける子供を撮影したビデオなどをデジタル・ファイルにして販売。昨年7月、オーストリア国内のサーバー会社が、自社コンピューターを介して問題のビデオがやり取りされていることに気付き、当局に通報して発覚した。
ビデオは主に東欧で撮られたとみられ、嫌がって叫び声を上げる子供の姿もあった。被写体の最低年齢は5歳の少女だったという。提供拠点はロシアにあることも判明した。
司法当局によると、1本89ドル(約1万770円)のファイル購入を目的に接続してきたコンピューター端末は2300以上。オーストリアでは、接続した23人のうち14人がファイルの購入を認め、当局が任意で調べている。米国、ドイツからもそれぞれ607件、466件の接続があり、日本からは1件の接続があった。
オーストリアでは、14歳未満のポルノの所持は禁固2年以下の罪となる。
◆児童ポルノの閲覧、日本は処罰対象外◆
日本の場合、児童買春・児童ポルノ禁止法で罰則対象となるのは、画像などを提供する行為や、提供目的で製造、運搬したり所持したりする行為で、国内外を問わず児童ポルノのサイトを閲覧しただけでは罰せられない。
日本人がサイトを通じて入手した画像などを所持していたとしても、罰せられるのは第三者への提供目的だったことが立証された場合に限られる。