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2007年02月08日(木) 14時36分

ビジネス教材で悪質勧誘、27社に業務停止処分読売新聞

 虚偽の説明による悪質な勧誘などがあったとして、経済産業省が、特定商取引法に基づき業務停止処分としたビジネス教材や資格講座を販売する業者が急増していることがわかった。

 2004年度以降、27社に上る。その多くが、過去に同種の通信講座を受講したことがある消費者らをターゲットに、「新たな教材購入の義務がある」「修了の手続きが必要」と電話で勧誘するなど、共通の手口が浮上している。

 悪質リフォーム業者の被害の広がりなどを受け、経産省は04年から、悪質な訪問販売や電話勧誘、通信販売の業者に対し、積極的に行政処分に踏み切っている。02〜03年度に業務停止処分を受けた業者は計2社だったが、04年度以降、46社が業務停止処分を受けた。このうち、ビジネス関連教材を扱う業者が27社と、全体の約6割を占める。

 中でも、過去の契約に関連し、何らかの義務が生じているかのような虚偽の説明(不実の告知)を処分理由にした業者は18社で、すべて電話勧誘による販売だった。各社は、札幌や仙台、東京、名古屋、福岡などに点在しているが、勧誘の手口が酷似していた。

 同省によると、勧誘の電話はいずれも、消費者の勤務先に突然かかってくるのが特徴。断っても、「手続きを取らないと、いつまでも電話がいく」「引き続き受講する義務がある」などと執拗(しつよう)に勧誘。「教材を購入することで、手続きを取った形にする」として、数十万円の経営管理や法務に関するビジネス教材などの申込書を一方的に送りつけるという。早く電話を切ろうと「もういい」と言っただけで、手続きを承諾したとみなされた例もあった。

 一度契約を交わすと、その後も似たような電話が続く。「複数の手続きが必要」と、同じ会社から繰り返し教材を購入させられたり、複数の会社から同様の契約を結ばされたりした人もおり、多い人で500万円を超える契約もあった。

 年間の売り上げがピーク時で数億円に上る業者や、全国の消費者センターに1000件を超す苦情・相談が寄せられた業者もある。

 悪質商法に詳しい日本消費者協会の夷石(いせき)多賀子・消費者相談室長は、「手口は年々巧妙化している。あいまいな応対をすればするほど相手につけ込まれる。何度も電話がかかってきても、即座に断るべきだ。契約してしまっても、不当な勧誘があれば解除できるので、消費者センターなどに相談してほしい」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070208it06.htm