福永市長は同日午前、市役所で記者会見し、西容疑者を「友人」「命の恩人」と表現してみせ、全幅の信頼を寄せてきたことを明らかにした。
西容疑者が代表取締役を務める「栄光商事」(人吉市)は、土地、建物の売買や建築、土木工事の請負仲介のほか、外国から招いた芸能人や音楽家のマネジメントなどを手がけている。
記者会見での福永市長の説明によると、西容疑者との付き合いは約25年前にさかのぼる。西容疑者はこれまで5回の市長選をともに戦い、福永市長の有力支持者として知られるようになる。
福永市長は、選挙戦に際しての西容疑者の情報収集能力や情勢判断能力を高く評価しているとし、「敵陣営にいたら私はこんなに長く(5期)やっていないと思う」とまで口にした。
福永市長は「事件のことは全く知らない」と自身の関与を全面否定したうえで、前組合事務局長・北川徹容疑者(56)への西容疑者からの働きかけについても、「北川容疑者から報告はなかった」と述べ、西容疑者の関与についても「まったく知らなかった」と語った。
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組合では職員らが重苦しい雰囲気で机に向かっていた。幹部らは、報道陣の問いかけにも「コメントは出来ない」と表情をこわばらせていた。
ある元人吉市議は、福永市長の西容疑者への“厚い信頼”が、西容疑者の暗躍を招いたと指摘し、「西容疑者の横暴を見過ごした市長の責任は重い」と福永市長を批判した。
同市のある男性は「西容疑者のうわさは耳にしたことがある。捜査で事件の真相を明らかにしてほしい」と語気を強めた。
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県警は同日、競売入札妨害容疑(偽計)で西容疑者の会社と自宅を捜索、関係資料を押収した。