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2007年02月07日(水) 22時50分

ナリタフーズ BSE、鳥インフルで急成長読売新聞

地検、8か所を一斉捜索

任意同行に応じ、捜査員とともに自宅マンションを出る及川三枝子容疑者(6日午前10時5分、我孫子市の自宅前で)
 関税を免れていた“裏ポーク”に、捜査のメスが入った。食肉卸大手「ナリタフーズ」(柏市柏)による輸入豚肉の差額関税脱税事件。千葉地検に関税法違反容疑で逮捕された同社社長、田辺正明容疑者(60)(我孫子市緑)らは、BSE問題などで豚肉の需要が高まる中、デンマーク産豚肉の輸入・販売で、同社の業績を急速に伸ばしていた。しかし、急成長の背後には、ダミー会社を経由して価格を操作する不正輸入があった。

 田辺容疑者は2001年、ともに逮捕された及川三枝子容疑者(51)(我孫子市我孫子)が社長を務める食肉商社「クレバー・アジア・インターナショナル」を香港に設立。翌年には、東京都内に貿易会社「オーエムトレーディング」を設立し、2社を経由するデンマーク産豚肉の買い付けルートを作り上げた。


自宅から車に乗り込むナリタフーズ社長の田辺正明容疑者(6日午前8時55分ごろ、柏市内で)

 しかし、今回の捜査で、この2社は実態のないダミー会社だったことが判明。外見上は、オー社がクレ社から1キロ当たり524円程度で輸入し、ナリタフーズに卸す形になっていたが、実際には、ナリタフーズがデンマーク側から1キロ当たり320円程度で直接買い付けていたという。

 不正輸入が行われていた04、05年は、BSEや鳥インフルエンザ問題で国内食肉業界は揺れていた。民間信用調査会社によると、こうした中で同社は急成長を遂げ、01年3月期に約248億円だった売上高を05年3月期には約823億円にまで伸ばしていたという。

 一方、千葉地検は6日朝から、ナリタフーズ本社や田辺容疑者の自宅など計8か所を一斉に捜索。本社からは午前8時前からの約4時間で、帳簿類など段ボール12箱分の資料を押収した。及川容疑者の自宅マンションでも約3時間の捜索が行われ、終了とほぼ同時に姿を見せた及川容疑者は、「違法性の認識はあったのか」との報道陣の問いにも無言のまま、地検の係官と捜査車両に乗り込んだ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news001.htm