県警によると、主犯格の臼井容疑者は消費者金融会社に勤めた経験があり、テレビや雑誌を見て手口を知り犯行を指南していた。他の8人は大垣市などの20代から50代の無職やアルバイトで、いずれも多重債務者や自己破産者。「(臼井容疑者は)金を融資してくれる」という口コミで個別に集まったという。
調べでは、臼井容疑者は大垣市内のアルバイト男(43)=電磁的公正証書原本不実記録罪などで懲役2年、執行猶予4年の判決確定=と、同市内の無職男(31)と共謀。2005年5月、アルバイト男と無職男が養子縁組を偽装して同県垂井町役場に届け出をし、無職男が運転免許証の名字を書き換えたうえで消費者金融会社と契約し、40万円をだまし取った疑い。
県警は、この3人を昨年5月に逮捕した後も捜査を続け、さらに6人を逮捕して計約270万円分を立件した。
臼井容疑者は接触してきた多重債務者らに養子縁組を指示。承知した2人が偽の養子縁組をした後、消費者金融会社の予備審査を受けさせ、名字が変わったことで審査を通過したのを確認してから金を借りさせていた。
1回につき20万−50万円を借りており、臼井容疑者と虚偽の養子縁組をした2人の計3人で山分けしていた。いずれも「生活費に使った」と供述し、返済の意思はなかったという。
中には5回にわたって虚偽の養子縁組と離縁を繰り返し、金をだまし取り続けた共犯者もおり、こうした頻繁な養子縁組を不審に思った自治体が一昨年6月に県警に相談をして発覚した。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070207/mng_____sya_____005.shtml