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2007年02月06日(火) 00時00分

6日にもナリタフーズ社長逮捕 59億円脱税容疑 中日新聞

 食肉卸会社「ナリタフーズ」(千葉県柏市)が、2005年2月までの1年間に輸入豚肉にかかる差額関税約59億円を免れたとして、千葉地検は5日、関税法違反(脱税)容疑で田辺正明社長(60)ら2人を6日にも逮捕する方針を固めた。立件に先立ち、横浜税関が同容疑で告発する。

 横浜税関が05年4月、同社に対する任意調査を開始。これまでの税関の事情聴取に対し、田辺社長らは容疑を否認していた。

 田辺社長は昨年12月の記者会見で「不当な利益は1円たりとも得ていない。合法的にやっているという自負がある」と主張している。

 差額関税の脱税摘発は昨年11−12月、東京地検特捜部による食肉卸大手「協畜」(愛媛県四国中央市)元社長らの逮捕以来。財務省によると、ナリタフーズの立件額は、過去最高となった協畜の約118億円、名古屋市の「フジチク」グループの約62億円に次ぐ過去3番目の規模になる見通し。

 <差額関税制度> 1971年の豚肉輸入自由化を受け、国産豚肉の値崩れを防ぐために設けられた制度。国産の流通価格などを参考に世界貿易機関(WTO)交渉で基準価格を設け、通常の関税を含めた輸入価格が基準を下回る場合は、基準価格と同額になるまでさらに関税が課される。逆に基準価格を上回ると、従価税4・3%だけで済むため、基準価格と同じか、わずかに上回る価格で虚偽申告すれば、脱税は最大となる。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070206/mng_____sya_____000.shtml