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2007年02月06日(火) 11時49分

さくら画廊社長を逮捕、6億円所得隠し容疑 東京地検朝日新聞

 名画の架空取引を繰り返す手口で約6億円の所得を隠し、約7000万円を脱税していたとして、東京地検特捜部は6日、「さくら画廊」(東京都新宿区)社長の白石幸生容疑者(62)を所得税法違反(脱税)の疑いで逮捕するとともに、関係先の家宅捜索を始めた。白石社長の親族が経営する宝石販売会社の株取引で利益を得たため、膨らむ納税額を抑えようと脱税を計画したとみられる。

 東京地検特捜部は同日午前、白石社長の親族が経営する美術品販売会社「ギャラリー白石」(東京都中央区)などの捜索を始めた。

 調べによると、白石社長は、絵画を安値で売ったように見せかけ、架空の売却損をたてて申告所得を圧縮。また、帳簿外で管理し、隠し資産となっていた絵画が売れた際、その絵画を実際よりも高値で仕入れたように装い、利益を少なく見せる手口も使っていた。こうした手法を繰り返し、03年に約6億2800万円の所得を隠し、所得税約7100万円を脱税した疑い。

 一方、白石社長の一族が経営する宝石販売会社「シーマ」(東京都中央区)が、さくら画廊が脱税していた疑いがもたれている時期にジャスダックに上場した。

 関係者によると、白石社長は保有していたシーマ株を、03年10月に1回、04年3月に2回の計3回にわたり計35万株を売却し、計約9億3000万円の売却益を得ていたという。脱税工作は、この株売却益を隠す狙いがあったとみられる。

 さくら画廊は92年設立。横山大観、川合玉堂、上村松園など主に日本人の有名画家の作品を扱い、近年では新鋭画家の支援にも力を入れていたという。絵画の売買のほか、不動産賃貸や有価証券投資なども行い、05年3月期には約12億円の売り上げがあった。

 有名画廊の脱税事件では、93年に東京・銀座の大手画廊「フジヰ画廊」が名画の架空取引などで約10億5000万円を脱税したとして摘発された例などがある。

http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY200702060189.html