山崎製パンから支援を受けると決まり、農林水産省に報告に訪れた不二家の桜井社長
両社は同日午後、支援に関する覚書を交わした。山崎製パンが実施している「AIB食品安全システム」という米国発の食品安全管理手法の不二家工場への導入を目指す。同日記者会見した不二家の桜井康文社長は「山崎製パンの品質管理は日本でも上の方。それを導入し、不二家の改善スピードを上げたい」と述べた。
不二家は、1月上旬の問題発覚後、事業がほぼ停止状態にある。すでに約3週間が経過する中、フランチャイズ店オーナーや取引先からは、早期の事業再開につながる抜本的な対策を強く求められていた。不二家は、山崎製パンの支援を機に、チョコレートや清涼飲料など不二家商品の販売を中止したスーパーやコンビニエンスストアに販売再開を促す狙いもある。
両社は、「その他の業務提携の可能性については、今後両者間で誠意を持って協議する予定」としており、物流や販売面でも提携を模索する。長引く業務停止で不二家の財務体質は悪化しており「再生には資本増強は必須」(関係者)な状況だ。不二家は出資についても要請する方針で、山崎製パンも前向きに検討する考えだ。