職員は、この市の水道関連部門に長年勤めていた元課長補佐で、05年3月に50代で退職したという。
西原環境は同年7月、同市発注の汚泥濃縮設備の機械工事を2億1600万円で落札した。
関係者によると、同社は退職後に個人で事業を営んでいた元課長補佐に対し、この工事に関する情報提供や現地調査などの営業協力業務の委託契約を結び、同年秋に報酬として千数百万円を支払ったという。
しかし、国税局は契約に見合った業務実態がほとんどなかったと指摘。実際は、同社が受注や工事を円滑に進めるため元課長補佐に支払ったリベートにあたると認定し、交際費として課税したとみられる。
同社は04年7月にも、同市発注の水道関連工事を1件落札している。
元課長補佐は朝日新聞の取材に対し、同社からの報酬を受け取ったことを認めたうえで、「アルバイトを使うなど、ちゃんと調査業務をやっている。水道行政の専門家の自分に西原環境が期待するのは分かるが、あくまで退職後にもらったもので全く問題はない。個人の所得として税務申告もしている」などと話している。
西原環境は、06年3月期までの3年間で約4億円の所得隠しを東京国税局に指摘され、約5000万円を追徴されたことがすでに判明している。このうち約3億円は、奈良県橿原市発注のプラント工事をめぐって、同県内の建築工事会社社長側に対し、受注工作や地元対策のために渡したリベートを外注費などに見せかけていたとされる。
西原環境は「事実関係を把握していないので答えられない」としている。
http://www.asahi.com/national/update/0205/TKY200702040210.html