■親族会社 株売却益を隠す?
脱税の疑いが持たれているのは、さくら画廊と美術品販売「ギャラリー白石」(同)。
関係者によると、さくら画廊は絵画の架空売却損を計上する方法で所得を圧縮しようと計画。社長の親族や従業員名義で複数のダミー会社を設立し、仕入れた絵画を仕入れ価格より安い値段でダミー会社に売却し、二〇〇四年度の申告で多額の売却損が出たように見せかけていた。
さくら画廊は当時、シーマ株を売却して多額の利益を上げたとみられ、架空の絵画売却損と相殺するかたちで所得隠しを図った疑いが強い。
シーマは九四年、宝石・貴金属販売を目的にさくら画廊社長の二男が設立。二〇〇〇年、ジャスダック市場に上場した。シーマは〇五年一月、株式の百一分割を実施。ライブドアの株式分割にヒントを得たとされ、話題になった。
しかし、その後、シーマが発行済み株式の七割近くを投資顧問会社に貸していたことが判明。ジャスダックは「投資家に対する情報開示が適切でない」として、〇五年二月、シーマ株を監理ポストに割り当てている。
民間調査会社によると、さくら画廊は一九九二年に設立。一昨年三月期の売上高は約十二億円だった。横山大観や川合玉堂など高級絵画を中心に販売している。ギャラリー白石はさくら画廊社長の長男が社長を務める。さくら画廊とギャラリー白石は「取材には答えられない」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070203/mng_____sya_____008.shtml