フェンタニルのアンプル(2cc)を入れた金庫は麻酔科の部屋に置いてある。その日最初にアンプルを持ち出す同科の医師はカギと暗証番号で開けて手術室に運ぶが、その後はカギはかけず暗証番号のみでロックした状態にしている。
盗難が判明した1月29日は午後2時ごろ、麻酔科の医師と薬剤師の2人が、定例の金庫内点検と補充作業を行ったが、箱(1箱10本入り)ごと未使用だったアンプルの数は確認しておらず、午後3時30分ごろに、別の麻酔科の医師が金庫を開けた際に3箱がなくなっているのに気付いたという。
管理態勢に関しては、麻酔科と同じ3階フロアにある手術室の非常口を撮影していた防犯カメラの記録装置が故障していたこともわかった。
金庫の暗証番号は麻酔科の医師13人以外には知らされていないが、同センターの瀬上(せがみ)清貴・運営局長は「(第三者が)伝え聞いた可能性は否定できない」と述べた。
また、小児科医が患者延べ1100人分の氏名、手術内容などの個人情報を無許可で入力した私物パソコンを昨年12月22日に紛失してから、2日に公表するまで40日以上かかったことについて、瀬上局長は「データの内容を確認するのに時間がかかったため」と釈明。パソコンは小児科医の研究用でインターネットには接続できず、パスワードを入力しなければデータを見られないため、情報の流出は確認されていないという。