届け出の義務付けについては、日弁連が「守秘義務に反し、弁護士制度の根幹にかかわる」として反発。今国会への法案提出を目指す警察庁が当初案から譲歩を余儀なくされた。
経済協力開発機構(OECD)加盟国でつくる金融活動作業部会(FATF)が今年秋、日本の資金洗浄対策を審査する予定で、FATFの理解が得られるかが今後の焦点になりそうだ。
届け出義務の対象から除外されるのは弁護士、公認会計士のほか司法書士、行政書士、税理士。
金融機関や貴金属商、郵便受取代行業(私設私書箱)など約40種類の事業者には、監督官庁を通じた届け出義務が課される。依頼者の本人確認と記録保存の義務は、弁護士らにも残される。
警察庁は当初、弁護士らについても届け出義務を課し、弁護士以外は金融機関などと同様に監督官庁を通じて警察庁に届けることを想定した。
弁護士については、監督官庁がないことなどから別に検討し、日弁連を届け出先として、日弁連が守秘義務などの観点から問題がないか検討した上で警察庁に通知することを構想。具体的な仕組みは日弁連の会則で定めるとする案を示した。
しかし、日弁連は「依頼者を密告する制度には変わりがない」として拒否。自民党の一部議員からも「日弁連の主張に配慮すべきだ」と指摘されていた。警察庁は、3月末までの法案成立を目指しており、大幅な譲歩もやむを得ないと判断したとみられる。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070202/mng_____sya_____001.shtml