構造計算をしたのは田村水落設計(富山市)の水落光男建築士。県は「水落建築士は『建築確認が下りる期日が迫っていたので部分的な差し替えをした』と話していた。差し替えを『偽装』とする国土交通省の基準に照らせば、偽装の疑いが強いと判断せざるを得ない」と説明。国交省も、構造計算書が意図的に差し替えられていることから「偽装と判断する」としている。
水落建築士は同日、朝日新聞の取材に対して「書類を差し替えた認識はない。私は私なりの数値を採用することで耐震性が確保されると思っている。県からデータをもらって対策を考えたい」と話した。
「成田」は5棟を組み合わせた12階建て、130戸の複合構造。構造計算書に疑問点が見つかったため、アパ側は完成前の昨年3月に工事を中断し、購入契約をした64戸はすべて解約した。
県が再計算すると、耐震強度は最も弱い部分で0.74となった。また、震度5程度の中規模地震では無傷のはずの柱や梁(はり)の1割弱が損傷する結果も出た。これに基づき、県は強度不足と判断した。
京都市のホテルの偽装は、このマンションの問題を受け、国土交通省が同建築士の手がけた物件のサンプル調査を進めたことで発覚した。
http://www.asahi.com/national/update/0202/TKY200702020266.html