同発電所は出力百万キロワットの発電機が二基ある。同社によると、二基がそろって動き始めた一九九〇年から、記録プログラムを操作してデータを改ざんした。二〇〇二年の同社原子力発電所のデータ改ざん発覚を受け、内部から改善を求める意見があり、〇三年以降は改ざんをやめたという。しかし、今回の経済産業省の点検指示まで、改ざんを明らかにしなかった。
改ざんしたのは、出力と放水口の海水温のデータ。出力では、消費電力の変動に合わせ、出力を変えて瞬間的に百万キロワットを超えても、百万キロワットと記録するようプログラムを操作。電気事業法に基づく定期検査の記録などを改ざんした。許認可出力が百万キロワットだったため、改ざんしたとみられる。
同社は同発電所建設時の一九八二年、市環境影響評価条例などに基づいて、市に提出した環境影響評価書で、自ら取水口と放水口の海水温の温度差を六度としていた。その温度差を常に五・九度以下に記録するよう放水口の海水温を改ざんした。市への報告書や、市公害防止条例で義務づけられた測定で、“自主ルール”を守るためだったという。同局は「あってはならない。環境影響評価の根本を揺るがす問題」と不正にあきれていた。 (飯田克志)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20070201/lcl_____kgw_____004.shtml