「市民課では、申請書の集計額と収納金額が一致しなくても、疑問を抱かない職場風土となっていたのではないか。公金意識も低くなっていた」
監査事務局の豊島行宏監査第2課長は会見で、こう強調した。
監査は、2005年度と06年4−11月を対象に、全16区役所、5支所で実施した。
その結果、問題となった3区役所と1支所以外にも、市民課での現金取り扱い事務で、監査委員から「不適切」として指摘されたケースがあった。
唯一、レジを使っている港区では、その記録のみを頼りにし、1日ごとの申請書の枚数と、収納金の照合作業をしていなかった。そのため、レジの打ち間違いなどで申請書の数と収納金額の間にずれが生じ、05年度には不足額が毎月約1万円ずつ膨らんでいった。
昭和、中川、南区では、1日に集まった手数料の総額をその日のうちに確認するという、初歩的な作業すら怠っていた。
また、一部の区では、その日の収納金を管理の厳しい税務課の金庫ではなく、職員の多くが開け方を知っている市民課の金庫に保管していた。
大半の区役所と支所で、申請書の集計額と収納金額に不一致があった点については「来客対応の迅速性を重視するあまり、正確性がおろそかにされていた」と指摘。職場風土の改善や職員の意識改革を求めた。
松原市長は「事件発覚後、すぐにとり得る再発防止策を講じてきた。監査結果を厳粛に受け止め、徹底した再発防止策を早急に取りまとめ、不祥事防止に努める」とコメントした。
(伊東誠、原一文)
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20070131/lcl_____ach_____009.shtml