柳沢厚労相(中央)に辞任要求を手渡す女性議員たち
「残念ながら子どもを持てない人もいる。最低の、許せない発言だ」(社民・福島党首)
「『私の女性観とは違う』と言うが、思っていなければ出ないので、これが本音だ」(民主・小宮山洋子衆院議員)
「女性たちは傷ついている。少子化問題に一番かかわる厚労大臣として不適格だ」(共産・吉川春子参院議員)
民主・共産・社民の野党3党の女性議員16人が29日夕、共同で記者会見し、柳沢氏の辞任を求めていく考えを強調した。直前に柳沢氏に辞任要求書を手渡したが、男性議員も巻き込み、国会論戦を通じて責任を追及する考えだ。
身内の自民党の女性議員からも批判の声が上がっている。
野田聖子衆院議員は04年、不妊治療の経験をつづった著書「私は、産みたい」を出版した。「言葉を大切にするというのは閣僚の大切な要素。軽率で不適切で、大きな過ちだ。心得違いをされていたのだと思う」と不快感を示す。
前少子化・男女共同参画担当相の猪口邦子衆院議員も「出産は命がけで尊いこと。女性としては誰でも違和感を受けたのではないか。適切でない表現であることは明らかで、残念だ」と言う。
朝日新聞社の世論調査では、安倍内閣の支持率は20、21日に実施した調査で39%となり、初めて4割を切った。昨年9月の内閣発足以降の5回の調査結果を見ると、支持率(%)は男性が60→61→51→45→36、女性が65→65→55→48→42で、いずれも下がり続けている。20、21日の調査で、男性は不支持率(46%)が支持率を初めて上回った。これまでは女性の支持の高さに支えられてきたが、今回の失態で、それすらも失いかねない。
「安倍首相の任命責任も問うていきたい。これが、安倍首相が言う『美しい国づくり』内閣の実態かと思うと、背筋がぞっとする」(社民・辻元清美衆院議員)などと、野党は首相に対しても責任を追及する姿勢だ。