「預かり金が倍になる」とうたって海外の不動産への投資などを持ちかけ、全国の約1万人から500億円以上を集めていた東京都北区の健康食品会社「リッチランド」が、このうち少なくとも100億円近くを欧州の銀行のドイツ人弁護士の個人口座などにプールしている疑いが強いことが警視庁の調べでわかった。
残る約400億円についても投資に使われた形跡がなく、同庁は、出資者をだますために架空の投資話などを捏造(ねつぞう)したと断定、30日、詐欺容疑で同社の佐伯万寿夫会長(61)をはじめ、幹部ら十数人を逮捕する。
調べによると、同社は1999年秋ごろから、全国のホテルなどで説明会を開催。参加者に「東欧の不動産事業に投資する」「財宝を積んだ沈没船の引き揚げに投資する」といった実態のない投資話を持ちかけ、「数年で預かり金が倍になる」と高配当を約束し、1口50万〜300万円の出資金をだまし取った疑いが持たれている。
同社は2005年春以降、出資者への配当が途絶えがちになり、同庁は同年6月、本社などを出資法違反容疑で捜索。その後、静岡、福岡両県警と合同で捜査を進めてきた。
その結果、同社が7年余りで集めた500億円以上のうち、100億円近くがドイツをはじめ、欧州の複数の銀行に送金されていたことが判明。大半は、佐伯会長が契約したとされるドイツ人弁護士の個人口座などだった。同社が運用した形跡がなく、ほとんどがプールされている疑いが強まっている。