不二家は洋菓子販売を休止しているフランチャイズの約七百店に対しても一週間ごとに総額一億円を超える補償を支払っている。スーパーなど小売店での菓子製品撤去で「売り上げが極度に落ち込んでいる」(桜井康文社長)中、サッポロ飲料への補償支払いが加われば不二家の経営を一層圧迫するのは確実。同社は不動産などの資産売却による資金繰り改善や、取引銀行との再建策協議を加速させることを迫られる。
不二家の飲料は、スーパーなどの店頭や自動販売機からの撤去が広がり、現在の売り上げペースは今月十日に問題が発覚する前のほぼ半分に落ちた。不二家製品を取り扱うことによるイメージ悪化を嫌って小売店が販売を取りやめる動きはさらに広がる見通しで、サッポロ飲料の業績にとっても打撃となる。
販売見合わせがどこまで広がるかが不透明な上、影響の長期化も予想され、損失額の算定は現段階では難しい情勢。サッポロ飲料幹部は「不二家の社内が落ち着いた段階で協議することになる」と話しており具体的な補償額は今後詰める。
飲料を中心とした不二家の食品事業の二〇〇六年三月期の売上高は約四十八億円。「ネクター」などを関係会社や外部の協力工場で製造し、販売はサッポロ飲料に全面的に委託している。
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