「日本は先進諸国で最も格差の大きい社会となった。年収200万円以下のサラリーマンも多い。個人の努力ではどうしようもない」
風邪気味なのか、小沢氏はややかすれた声で質問を始めた。
まず、昨年末にまとめた党基本政策を基に国家ビジョンなどを説明し、「政治は生活。社会的、経済的に弱い人のために存在する。国民生活を立て直すべきだ」と生活重視の姿勢を訴えた。
そのうえで、パートや派遣など非正規社員と正社員の賃金格差是正などを柱に、同党が国会提出する「格差是正緊急措置法案」を説明し、政府の労働法制の考え方などについてただした。
注目はやはり、自身も渦中にある「政治とカネ」の問題。
小沢氏の資金管理団体「陸山会」が平成17年に約4億円の事務所費を計上していたことが取りざたされているが、「支出の詳細だけでなく、その領収書および関係書類も含め、いつでも公表する用意がある」と強調。
「私を含めて責任ある立場の政治家はすべて、事務所費について詳細を公表すべき。それこそ、国民の政治不信を取り除くことになる」といい、疑惑を持たれた政治家および閣僚や与党幹部に情報公開を迫った。
最後に、柳沢伯夫厚労相が「女性は子供を産む機械だ」と発言したことについて、小沢氏は「発言が事実ならば政治家である以前に人間として許されない」といい安倍首相の見解を求めた。
答弁に立った安倍首相は、まず格差是正について「日本経済の成長力を強化して、国民が豊かさを実感できる社会をつくる」との決意を表明。事務所費の公開については「現在、自民党内で検討している。各党各会派で議論してほしい」と明言を避けた。
柳沢厚労相の失言については「私も『不適切』と考え、大臣に厳しく注意をうながした。子供を産み育てることは崇高な行為だ」といい、国民、特に女性の反発の火消しに躍起だった。
ZAKZAK 2007/01/29