昨年2月19日に放送された「衝撃! 味噌汁でヤセる?!」では、発酵した大豆を研究しているテキサス工科大のキム・サンウー助教授を「味噌の専門家」として紹介。日本語の吹き替えと字幕によって、「味噌は大豆製品の中で最も高いダイエット効果が期待できる食品」「ヤセる効果を高めるポイントは発酵にある」とした上で、「朝食に味噌汁を摂(と)る事はダイエットには非常に効果的ですね」と結ぶ発言を放送した。
だが、キム助教授は、朝日新聞の「みそ汁がダイエットに大変良い、と話したか」という電子メールでの質問に対し、「私の研究では発酵した大豆と減量とを関連づけていない。番組取材の中でも話していない」と答えた。
「みその塩分は高血圧を引き起こさない」とする論文が番組内で紹介された渡辺敦光・広島大名誉教授も、制作会社の取材を受けた際、「みそとダイエットは関係ない」と説明した。放送を見て驚いて、「キム・サンウーさんの論文があるなら知らせてほしい」と番組スタッフに依頼したが、その後連絡はなかった。
みそ汁の回の制作に携わったのも、納豆ダイエットと同じ孫請けの会社だった。
レタスの催眠作用を紹介した、98年10月25日の「快眠」の回では、実際とは違う実験結果を放送されたと、番組に協力した研究者が証言した。
長村洋一・千葉科学大教授によると、取材班の立ち会いで、レタスを食べるとよく眠れるという仮説をマウス約20匹で実験したが、成果を得られないまま取材班は帰ったという。
ところが番組では、実験の途中で瞬間的におとなしくなったマウスの姿に、「眠ってしまった」という字幕が付けられ、直後に、「レタスには催眠成分が含まれ、即効性がある」という別の研究者のコメントが流れた。長村教授は「あそこまでいい加減な番組と知っていたら、取材を受けなかった」と話している。
みそ汁ダイエットなどについての朝日新聞の取材に対し、関西テレビ広報部は「過去の放送回についても調査が始まっているが、社内調査班と今週にも発足する調査委員会が、すべての調査を終えた段階で報告したい」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/0129/OSK200701280043.html