携帯電話などの普及に押されて固定電話の回線数や通信量は減り続け、NTT東西の採算は悪化。通信業界全体で全国網を支える同制度が初めて発動され、今月から電話利用者に対して1電話番号あたり月7円の負担転嫁が始まった。
ただ、両社の赤字は今後も膨らみ、利用者負担も月7円から増える公算が大きい。総務省は、利用者負担を抑えるには制度の抜本的な見直しが避けられないと判断した。
総務省は、維持コストの安いIP電話など別の通信手段を対象に加えることや、サービスの提供主体をNTT東西以外の競争事業者に広げることの可否を検討する。利用者負担の算定方式を見直す可能性もある。
IP電話はブロードバンド上で提供されるサービスの一部だが、ブロードバンドサービス自体を制度の対象に含めるべきかどうかも検討する。
学識経験者でつくる研究会は09〜10年度の見直しに向け、11月に報告書をまとめる予定。同省は2月1日から3月2日まで検討項目案をパブリックコメント(国民からの意見募集)にかける。課題設定の段階から一般の意見を募るのは異例で、透明性の高い議論につなげる狙いがある。