遺体の見つかった民家付近を調べる捜査員ら=28日午後8時すぎ、東京都杉並区桃井2丁目で
捜査本部の調べでは、野元さんは新一郎さんと2人暮らし。1階寝室のベッドの上にパジャマ姿の野元さん、2階寝室の布団の上でセーターを着た新一郎さんの遺体が見つかった。
2人とも死因は刺されたことによる臓器損傷とみられる。2階寝室にはナイフが落ちていた。2人には布団がかかっており、いずれも寝ていたところを襲われた可能性がある。
1、2階ともたんすの引き出しが開けられていた。2階で新一郎さんのものとみられる財布が見つかったが、紙幣がなく、カード類が散乱していた。玄関は施錠されていたが、勝手口は鍵がかかっていなかったという。浴室の電気がついたままだった。
今月24日午後8時ごろ、野元さんの家族が電話で野元さんと話していた。友人によると、野元さんは25日に予定されていた町内の新年会に出席せず、友人が何度か電話したが、連絡がとれなかったという。
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週に1度、野元さんとカラオケに行っていたという女性(88)は「新年会は『晴れたら和服で、雨だったら洋服でいく』と楽しみにしていた」と話した。別のカラオケ仲間の女性(82)は「いつも新しい歌を積極的に覚えて披露しようとする、元気な人」。友人の女性(74)は「水墨画が上手で趣味が多い人。世話好きで恨みを買う人ではない」と語った。
新一郎さんを知る近所の店主によると、新一郎さんは設計の仕事をしており、「以前赴任していたカナダに妻と子どもを残し、自分は単身赴任のようなものだ」と話していたらしい。
また、現場から約50メートル離れた住宅に住む女性は「今月16日ごろ、自宅の窓が傷つけられていた。隣の家でも同じ時期に明け方に空き巣が入ろうとした。関係があるのか」と不安がった。
http://www.asahi.com/national/update/0128/TKY200701280177.html