柳沢厚労相
柳沢厚労相は27日の集会で、少子化問題にふれた際、「機械と言ってごめんなさいね」などの言葉を入れつつ、「15〜50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭でがんばってもらうしかない」などと発言したという。
柳沢氏は28日、朝日新聞の取材に「人口推計の話をした時、(聴衆が)よく分からないようだったので例えて言った。(発言した)途端に、これはまずいと思い、失礼した、申し訳ないとお話しした」と釈明。女性への差別的な意識は「全くない」と否定した。
だが、社民党の福島党首は28日、「絶対に言ってはいけない最低の発言で、辞任を要求する。女性は年金の財源を産むための機械ではない。発言は『国のために子供を産め』と言ったようなものだ」と辞任を求めた。
共産党の市田忠義書記局長も「後で取り消したと言うが、最初の発言が本音だ。辞任に値する」と辞任を要求。民主党の鳩山由紀夫幹事長は「厚労相として子どもを産み育てやすい環境をつくってこなかった所に原因があるのに、非常にけしからん」とし、国民新党の亀井久興幹事長も「厚生労働相として全く不適切だ。国会で責任を追及したい」と批判した。
安倍首相は2月上旬にも少子化対策に取り組むための「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」の初会合を開く。政権全体で少子化問題を重視する姿勢をアピールし、支持率下落が続く政権の浮揚に結びつけたい狙いだ。
だが、担当閣僚である厚労相が女性軽視とも受け取れる発言をしたことで、29日の代表質問から本格化する国会審議で野党側が反発を強めることは必至。安倍首相にとって、出ばなをくじかれることになりかねない。