兵器廃絶を訴えるために作られた手榴弾型のケーキ=東京都港区北青山で
普通のケーキよりも一回り大きく、ムースに最高級のカカオ豆を原料にしたチョコレートを使っている。870円で1日限定50個の販売。25日は完売した。
仕掛け人は、東京都港区で広告会社を営む石川淳哉さん(44)と、大手広告会社のアートディレクター徳田祐司さん(39)。
2人でデザインを考え、ケーキメーカーと一緒に製品化した。東京都港区北青山2丁目のカフェ「Sign(サイン)」を経営する中村貞裕さん(36)が活動に賛同し、販売できることになった。
26日夜に食べていた目黒区の女性会社員(28)は「発想が面白いと思った。戦争や平和について友達と語り合うきっかけになりそうです」と話していた。
2人は05年1月にネット上に「retired weapons(引退した武器)」という名前のサイトを立ち上げ、平和運動を始めた。
イラストやオブジェなどのアート作品で世界に兵器廃絶を訴える手法。代表作は、拳銃の銃身が曲がっていて、その先端からピンク色の花が咲いているイラスト。「火器から花器へ」というメッセージを込めたもので、ネット上などで発表してきた。
「若い世代を引きつけるにはどうしても『カワイイ』『キュート』といった一瞬の印象が重要だ。広告のプロである僕らは誘導役。本格的な議論以前に、戦争や平和に無関心な若者が多すぎるのが問題では」と石川さんは語る。
イラストを印刷したTシャツやカレンダーもじわじわ売れている。非営利の活動で、収益が出れば活動資金に充てる。
特製ケーキ販売は、31日まで。問い合わせは同カフェ(03・5474・5040)。
http://www.asahi.com/national/update/0127/TKY200701270226.html