開会中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に合わせ、スイス政府が米国、欧州連合(EU)、日本、インド、ブラジル、豪州など25カ国・地域の担当閣僚を招いた。昨年7月の交渉中断以来、主要国の閣僚が集まるのは初めて。日本からは松岡農水相と甘利経産相が出席した。
交渉筋によると、各国は昨年の中断以降に個別に実施してきた2国間協議などの結果を踏まえ、打開への道筋を探ったが、進展はなかった。
会合に出席したシュワブ米通商代表は、米政府が議会の細かな修正なしに貿易交渉を進められる大統領権限(TPA)の更新に関して、ブッシュ大統領が週明け以降に見解を表明すると報告。各国が更新への期待を表明した。
ラミーWTO事務局長は、農業分野で本質的な歩み寄りが見られない限り、交渉は本格的には動き出さないとしている。農業分野で争点となっている、米国の国内補助金の削減問題やEUの農産品市場開放をめぐって、両者がどれだけ柔軟性を見せるかが交渉進展のカギとなる。