創刊号は約280ページ。高さんと作家澤地久枝さん(76)の対談のほか、大阪や首都圏に住む30代から80代の19人の作品を収める。年1回発行する。
在日文学は、男性では作家の金石範さんや梁石日さん、詩人の金時鐘さんら厚い層があるが、女性で広く知られているのは芥川賞作家・李良枝さんら数えるほど。儒教の価値観が女性を家事や労働にとどめたことなどが背景にある。
高さんは「歴史問題も憲法も、今の日本は重要な問題を単純化しがち。異民族であり女性という二重にマイノリティーであった在日女性から、複眼的な見方を感じ取ってもらえれば」と話す。
「昭和」をライフワークにしてきた澤地さんは「在日の歴史をきちんと書いて初めて、戦後史がのっぺらぼうでなく豊かになる」と期待する。
問い合わせは在日女性文芸協会(電話042・486・8129、メールzainichi@joseibungaku.jp)。