26日付の米紙エイジアン・ウォールストリート・ジャーナルなどが伝えた。中央電視台の通達は「中国は多民族国家。イスラム教徒への敬意を示すため豚のイメージを画面から排除する」との内容で、「(決定は)政府の指導によるものだ」と説明している。
中国のイスラム教徒はウイグル族や回族などを中心に1800万〜2000万人に上る。新疆ウイグル自治区では、中国からの独立を目指すイスラム系グループが活動。中国当局は今年初めにグループの拠点を襲撃しメンバー18人を射殺するなど対決姿勢を強めている。
今回の通達は、こうした事情を背景に、「調和のとれた社会」を掲げる胡錦濤政権が、イスラム系住民の感情を逆なでしないよう腐心している表れと見られる。