ネット入札では、インターネットでオークション会場と自宅や会社のパソコンを結び、入札にリアルタイムで参加できる。USSは約5億円でシステムを開発した。
オークション会社などが運営する会場は、全国に約130ある。USSのシステムは現在、このうち17会場をつないでサービスを提供、落札による手数料などを得ている。提携の拡大で、USSのシステムが結ぶ会場は5月以降、29に増える。
国内新車販売台数が3年連続で減少する中、中古車オークション市場は供給が不足気味だ。自動車メーカーも収益源の確保に中古車オークション事業を強化している。USSの安藤之弘社長は「メーカーの攻勢もあり、小規模な会場には車が集まらない。売れる車を集めるためには規模の拡大が必要だ。大手によるグループ化が進む」と言う。
矢継ぎ早の提携を後押しするのが、ネット入札の普及だ。同社は衛星回線を使った入札システムを95年に導入したが、専用端末が必要で、中古車販売業者にとってはリース代の負担が重かった。ネット入札ではパソコンがあればよく、多くの企業が参加しやすい。
ネット入札ではトヨタ自動車も、資本参加した中古車オークション大手「シー・エー・エー」と数年以内に入札システムを統一する方針。利用企業の拡大を狙い、競争が加速しそうだ。