発火する恐れがある4機種のうちの2機種。約10万台販売したAWD—A845Z(左)と、約5万7千台販売したAWD—B860Z
問題の機種は、乾燥とスチーム洗浄機能を使う際、配線とヒーターの制御回路の接合部分(2カ所)が過熱、回路を覆う可燃性の樹脂でできたカバーに引火する恐れがある。
無料修理では2本の配線を取り換え、樹脂製のカバーを不燃性のものに交換すべきだったが、甲府市の火災では修理の際に接合部の1カ所を修理せず、カバーも交換していなかった。昨年2月以降、未修理の3機から発火している。
カバーに可燃性樹脂を使っていたことについて、大阪市内で記者会見した有馬秀俊取締役は「設計上安全に関する考え方が甘く、事前の検証も不足していた」として、事実上の設計ミスを認めた。
また、公表が遅れた理由については「修理済み品2600台を再調査したところ同様の修理ミスはなく、再修理は必要ないと判断した」と説明。だが、06年11月と12月に未修理品で事故が相次ぎ、経産省が修理体制の強化を指導。修理済み製品を含め、すべてを無料修理することを決めた。対策にかかる費用は2億5000万程度という。
同社は27日から該当機種の使用者向けにフリーダイヤル(0120・34・3226)を開設するほか、ダイレクトメールでも修理を呼びかける。転居した人には、従業員が市役所などに出向いて転居先を調べる。
経営再建中の三洋にとっては、洗濯乾燥機は数少ない「看板商品」だけに、イメージ低下による業績への影響は避けられない。
■三洋製洗濯乾燥機が原因の火災事故(判明分)
【機種AWD—A845Z】
05年4月(甲府市) 木造民家の脱衣所・風呂場が延焼。家人がやけど。
06年2月(茨城県土浦市) 洗面所・風呂場などが延焼。
06年12月(鳥取県米子市) 風呂場の一部が焼損。
【機種AWD—B860Z】
06年11月(三重県伊勢市) 洗面所の一部が焼損。
http://www.asahi.com/national/update/0126/TKY200701260296.html