最終弁論では、フィブリノゲンの投与で、肝がんと肝硬変になった東海地方の60歳代の女性原告が「国民は、国や製薬会社が安全な薬を開発、承認していると信用しているのに根底から覆した。早急に過ちを認め、裁判所には正義にかなった判決をお願いします」と陳述した。同じく慢性肝炎になった原告の金田和子さん(53)=愛知県豊橋市=は「何よりも命の尊さを見据えた判決を切に願います」と訴えた。
原告側弁護団は、「フィブリノゲン製剤には原料や製法の点から、C型肝炎罹患(りかん)の重大な危険性があった」「製薬会社がずさんな資料で承認申請し、国がずさんな承認をし、多数の被害者を生み出した」と指摘し「公正な判決で、肝炎患者に明るい未来を」と訴えた。
国側は「肝炎のリスクを考慮しても客観的に有用性があった」とし、国の承認などの判断に誤りはなかったと主張した。
http://www.asahi.com/national/update/0123/NGY200701230006.html