1社スポンサーの花王が番組提供から降りたことで「あるある−」の存続はほぼ不可能になった。「たるみ一発解消 あなたの顔が持ち上がる」など3本のストックはお蔵入りが濃厚。花王はこの日、大手広告代理店の電通を通じて関西テレビなどに通達した。
「あるある−」が放送されていた日曜午後9時枠は、1979年10月にスタートした「花王名人劇場」以来、花王の1社提供枠だった。花王側も思い入れの強い枠だったが、今回のねつ造事件を許すことはできなかった。花王は「広告主として日ごろから信頼性のある番組であることを要望しており、今回のことは極めて遺憾。その後の後継番組に関しては何とも申し上げられません」とコメントした。
花王は、フジ系のゴールデン帯では唯一の1社提供スポンサーだ。しかも約27年という長年の信頼関係を裏切っただけに、千草社長ら経営陣の責任が問われるのは必至の情勢だ。
関テレはこの日、ローカル番組で事情説明した後「社をあげて、もう1度信頼回復に努めて参る所存です」と陳謝した。同社には午後5時までに199件の苦情電話などがあり、同番組を放送していたフジテレビなど系列27局には合計で電話1194件、メール3886通が殺到した。「納豆を食べ続けて家族に笑われました。番組は2度と見たくありません。できれば終了してください」「不信感はぬぐえない。視聴者をばかにするな」と辛らつなものが並んだ。
一方、関テレの山本専務ら役員3人がこの日、近畿総合通信局で事実経過を説明した。今後は放送法に抵触していないか調査を受け、違反が判明すれば行政指導を受ける。また、社内にも対策本部を立ち上げ、大学教授ら社外メンバーだけで構成する調査委員会で、ねつ造に至った経緯や、さらには過去の放送分にもさかのぼって調査を進める。
この日、関テレは取材記者への出入りも制限。番組広報部への立ち入りも禁止されるなどピリピリムードを漂わせた。次回28日は、21日と同じように「スタメン」を2時間放送する案が有力。代替番組に関しても関テレは「検討中」と繰り返すだけだった。