IP電話会社「近未来通信」(東京都中央区、破産手続中)をめぐる巨額投資詐欺事件で、キーマンとなる石井優社長が昨年11月、大金を抱えて海外へ高飛びしていたことが23日、分かった。
毎日新聞によると、石井社長は警視庁の家宅捜索直前となる昨年11月17日、羽田空港から出国した。出国先は不明。
出国2日前、都内の会社社長へ資産運用のために預けていた3億円が石井社長に返還されており、そのうち2億5000万円を持ち出したとみられる。
近未来通信はIP電話の中継サーバーへの出資を呼びかけ、投資家約3000人から約400億円を集めたとされる。だが、総務省の立ち入り検査で通信事業者としての実体がほとんどない“張り子の虎”と判明。警視庁捜査2課が昨年12月4日、詐欺容疑で本社などを家宅捜索した。
石井社長は資金繰りが悪化した昨年9月に投資家向けに説明会を開き、架空の上場プランを披露するなど、引き留め工作をした。
また、11月上旬にも投資家に新事業計画を送付。海外での事業展開が順調であることを伝えていたが、同月20日に突然、本社や支店を閉鎖させていた。
ZAKZAK 2007/01/23